May 17, 2022

LITTLE NIGHTMARES Tシャツ製作秘話

今回は『LITTLE NIGHTMARES』コラボレーションアイテムの内、Tシャツ2種をご紹介いたします。



Tシャツに使用したイラストは、ペン画家・前田雄一郎さんに依頼して描き下ろしていただいたものです。

前田雄一郎さんのHPはこちら


前田さんの作品の特徴は、つけペンによる耽美で密度の高い線です。西洋の小説の挿絵のようで、詫び寂びがあります。

かねてから原田が前田さんのファンだったこと、今回のTシャツのコンセプトがまさに「挿絵風」だったことで、念願のコラボレーションとなりました。

このたび、前田さんからコメントを頂戴しましたので、Tシャツやイラストの画像とあわせてお楽しみください。


■シックスとノームのTシャツ


オイルライターでランタンを灯すシックスと、こっそり温まりにやってきたノームの姿をTシャツに仕上げました。


ランタンの光の表現がやわらかく、あたたかさを感じられる筆致が魅力です。


●前田さんによるコメント

・Tシャツになった感想

布地の質感やカラー部分と合わさって、絵もまた魅力的なものになったと、とても嬉しく思いました。

楕円の形とTシャツを着た時のバランスがすごく素敵でテンションが上がりました!
アンティークっぽい雰囲気もあったり、すごくお洒落で素敵です......!
思わず目で追いたくなるような感じにとても嬉しくなりました。

前田さんによる原画

・描き下ろしイラストの見どころ

ランタンを中心とした光の明暗の部分です。

とくにシックスとノームの影のコントラストに注意しました。危険な場面が多い中、一緒に暖を取る。そんなホッとするようなシーンになればと描きました。

描く部分によってタッチの表現も変化しているので、全体と細部、どちらを見ても楽しめると思います。


・描き下ろしイラストで苦労した部分

シックスのレインコートや、ノームの肌感など、どのようにしてタッチで表現しようかと悩みました。全体の配置や距離感なども慎重に調整しています。


■モノとシックスのTシャツ


もう1枚は『リトルナイトメア2』から。
暗い森の中でモノとシックスがさまよう姿をTシャツに仕上げています。


鬱蒼とした森の描き込みは緻密で美しく、前田さんの作風とゲームの世界観が見事に溶け合った一枚になりました。


●前田さんからのコメント

・Tシャツになった感想

あれだけ細かく描いた背景も綺麗に表現されていて驚きました。
白と黒で、印刷の表現が違っているのでそこの違いもかっこいい!
服の中で物語が動いているような、そんな雰囲気に大満足です。

袖口やネームタグのこだわりもとても素敵で、着る人も見る人も喜んでくれる、そういうTシャツになったと思い感謝しています!


前田さんによる原画

・描き下ろしイラストの見どころ

背景の描き込みです。

あくまでもキャラクターを引き立てるものですが、背景だけでも見ていて楽しいくらいの描きこみです。これから二人に過酷な道中があることを感じられる、そんなスケール感になればと描きました。

ゲームの雰囲気を意識しているので、見るたびにゲームシーンが想起されればとても嬉しいです。


・描き下ろしイラストで苦労したポイント

見どころと同じく背景の描き込みです。

普段描いているサイズよりも大きく描いているので、ここはだいぶ時間がかかりました。また、キャラクターのタッチと背景のタッチが合うように意識するのも難しい部分でした。

油断するとキャラクターやゲームの雰囲気が壊れてしまうので、そこの部分を注意しながら自分のタッチをのせる。その工程に苦労しながらも、楽しんで描きました。

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■版下作成のこだわり

今回のTシャツは、シルクスクリーン印刷という手法でプリントされています。
素敵なイラストの印象や雰囲気を損なわないよう、細心の注意を払って製版をおこなわなければなりません。
製版のための版下製作は、TORCH TORCHの得意とするところです。


「モノとシックスのTシャツ」のバニラホワイトとブラック。
同じデザインの色違いですが、じつはバニラホワイト用とブラック用とで異なる版を使用しています。気づいた方はいますでしょうか?



背景の木々や檻、手前の草やぶは白ボディでは黒インク、黒ボディでは白インクでプリントされていることがわかるでしょうか。


ところが、丸太の部分とキャラクター2人の主線は、どちらのカラーも同じ配色です。
同じ版ではこのような見え方にはなりません。


バニラホワイト用の版でブラックボディにプリントした場合のシミュレーションです。
丸太は下から光があたったようになり、キャラクターの線は白に。シックスの足は黒くなって、違うキャラクターにしか見えません。

丸太の周辺とキャラクターの部分のみ、インクの落ちる部分を反転させることで、元イラストの印象を変えないように調整しています。

地味ながらかなりテクニックとセンスの要る作業だそうで、版下製作を担当した原田より「伝わる人にだけ伝わればいいから、ブログに書いてくれ」と言われました。わかる方はぜひ受け止めてあげてください。

シルクスクリーン版に関するエピソードとしては、「シックスとノームのTシャツ」に関しても一点。


こちらも、両ボディで異なる版を制作しました。インクの乗っている部分がそれぞれ違うことに気付けますでしょうか?
詳細は割愛しますが、気付ける方はシルクスクリ―ンのマニアか、かなり鋭い方ですね。

普通では行わないTORCH TORCHならではのこだわりとして、ブラックボディの方のみ版が一枚多いのです。


追加した版のデータがこちら。シックスとノーム、ランタンの線です。製品では、この版でブラックボディに黒いインクを重ねています。


(左:原画データ 右:版の追加なしイメージ)

この版下を追加していない状態だと、元イラストの放つ印象の再現度がいまひとつ。線が弱く、せっかくの密度感が薄れてしまっています。

(左:原画データ 右:製品仕様と同様のイメージ)

追加で黒インクを重ねたことで、雰囲気がぐんと近付きました!こうして比較すると、分かりやすいのではないでしょうか。

版に関する説明は非常にややこしいので伝えるのが難しいのですが、「なにやら手間がかかっているようだ」ということだけでも感じていただければ......!


■さりげない世界観の演出

Tシャツで最も目に入るのはプリント部分ですが、それ以外の部分でも世界観を楽しんでいただきたい。そんな思いから、TORCH TORCHでは随所に遊び心を盛り込んでいます。


裾に縫われた黒いネームタグには、『リトルナイトメア』はゲーム内ステージの壁紙、『リトルナイトメア2』は無数の目がうっすらとプリントされており、さりげないアクセントに。


どちらのモデルも、印象的な「目」を袖口のワンポイントにあしらっています。発泡インクで、ふっくらと可愛く仕上げていますので、イラスト部分以外にもぜひご注目ください。


ご予約はこちらからどうぞ。
なにとぞよろしくお願いいたします。

[シックスとノームのTシャツ]

[モノとシックスのTシャツ]




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